後輩。
職場に、いつも感じが良くて、品がある、素敵な後輩がいる。
ムラがあって、良いときと悪いときがはっきりしている俺とは正反対で(笑)意欲的で礼儀正しい彼は、なんと、まだ19歳の学生。
何が素敵かというと、性格だけではなく、とにかくお客様への接客や気遣いが、いつも、素晴らしいのだ。
嫌みのない、丁寧で優しく自然体な姿で、今日も彼は笑顔で働いていた。
彼を見ていると、何だかこう羨ましいというか、嬉しいというか、励まされるともいえるのか。色々な気持ちを与えてくれる。“モチベーションになる”とかそういう精神論ではなくて、もっと“人としての何か”を彼からは感じるような気がする。
本題。
そんな彼と、先ほどまで一緒に働いてきたんだけど、お店を閉めている時、彼から聞いた何気ない一言に、感動してしまったのだ。
「接客って、全部同じようにやるの、難しいなあ。」
俺は最初、その一言に対して、このようにアドバイスをしてみた。
「全てのお客様に対して、同じような接客をする必要は無いよ。その都度、そのお客様が求めている接客をしてあげたらどう?感じの良さそうな方や“求めている”お客様には、自分の持っている良いところを全て見せるイメージで接してみる。逆にオフィス立地で特有の、スピードを求められている方へは、無駄のないサービスでさらっと送ってみよう…自分が疲れちゃうでしょ??」
しかし、話を聞いていくうちに、彼が口にした“同じ”という言葉の意図が、少し違うことだというのがわかった。
「お店にご来店される全てのお客様に対して、常に丁寧に接していたい。その為にはどうすれば良いか。」
彼が言っていたのは、実はもっとシンプルで、ストレートなことだった。
俺が受け取った“接客の技術云々”という意味の“同じ”ではなく“自分ができる接客やサービスを、質を落とすこと無く、ひとりひとりのお客様にいつも同じようにしてあげたい”という意味の“同じ”であった。
彼が目指しているのはもっと深いところ。一販売員、一サービスマンとして、お客様満足のためにいかに自分は動いていくかであった。
恐るべし、19歳。。。
(そんな大切なこと、同じ年齢の時には考えてもみなかった。19歳、働かずに親のお金で、毎晩遊び呆けて不良してた。チーン)
自分たちが働いている環境は、スーパーマーケット、つまりセルフサービス形態ということもあって、比較的短い時間の中でサービスをするため、まずお客様の思考(嗜好)を素早く汲み取ってあげることが必要。
更に、ご来店されるお客様は単一ではなく、年齢・性別・国籍など不特定多数で、スタッフに求められる接客・サービス(商品知識、感じの良さ、機敏さ、レジ袋詰めのスピードや綺麗さ等々)も多種多様。それを“お客様都合”と考えるとして、自分たちは最低限お客様を不快にさせないことはもちろん、その“お客様都合”に少しでも応えてあげることが何よりも大事。
(百人いれば、百通りの求められ方、そして応え方がある。)
だから、彼の目指していることは、すごく、難しいことなのかもしれない。。
でも彼なら、その心意気で自分なりのお客様満足のための応え方を、きっと生み出してくれると思う。
学生生活との兼ね合いもあって、決して自分のパフォーマンスも毎日良好とは限らないだろうけど、その実直な人柄で、百人のお客様全員の心を掴むことが本当にできる気がして止まない。
M君。
また今度、ゆっくり話聞かせてね。
大事なことを思い出させてくれて、ありがとう。
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